こんにちは、QAチームの鹿間です。 2024/9/16, 17に行われた ソフトウェア品質シンポジウム2024 に参加しましたので、参加レポートを書いてみようと思います!
1. ソフトウェア品質シンポジウム(SQiP)とは
「ソフトウェア品質シンポジウム」は、 日科技連が主催するソフトウェア品質に関する国内最大級のシンポジウムで、毎年9月の初旬に開催されています。
もともとは毎年東洋大学の白山キャンパスで開催されていたのですが、近年はオンラインで行われており、一般発表や企画セッション、特別講演などがあります。 一般発表では、課題に対する改善取り組みの経験発表と、論文発表の2種類があり 自分が興味があるセッションを選んで参加することができます。
2. 本会議参加レポート
本会議自体は1日目の前半と後半、2日目の前半と後半で発表内容の分野が分かれていて、 さらにその中でも同じ時間に同時に4つのセッションが行われます。 例えば1日目の前半では、「品質評価」「アジャイル」「教育」「企画セッション」の4種類が同時に行われており、 全てに参加することはできませんが、アンケートに回答した人は現在アーカイブを視聴可能となっています。
以前は現地参加型で同じ時間帯の別のセッションを見ることができませんでしたが、 オンライン開催の副産物的として同時間帯の別セッションも見れるようになったのはとても有り難いです。
参加したセッションのうち、SNSへの投稿の許可が名言されているセッションからいくつか紹介します。 *1
例年通りならいずれ発表資料が公開されるかと思いますので、その際は改めてニーリーでも取り組んでみたい部分などに言及できればと思います。
現地開催ならこのあたりで現地の写真(場内とか看板とか!)を載せたいところですが、 オンライン開催で写真がないので、運営のXから雰囲気が分かりそうなものをピックアップ。
【SQiP本会議2日目開始!】
— 日科技連 SQiP (@JUSE_SQiP) 2024年9月12日
昨日から開催しておりますソフトウェア品質シンポジウムですが、本日も9時からスタートします!
参加者の皆様、引き続きよろしくお願いします!
写真は、オープニングのSQiP委員挨拶の写真です。#SQiP2024 pic.twitter.com/LwV2bVreMX
本会議1日目、株式会社EARTHBRAIN 代表の小野寺さんの特別講演
「顧客価値を継続的に創造するために概念を再考する」
どのようにして顧客の価値を継続的に創造するためのビジネスモデルを作っていくか、 価値と品質はカスタマージャーニーにあり、カスタマージャーニーを追求していくことが重要、という講演でした。
ニーリーでは「社会の解像度を上げる」というミッションを掲げて「Park Direct」を運営しているので、もっとカスタマージャーニーの解像度を上げて、さらに使い易い便利なサービスにしていきたいです。 これからも未来に向けてがんばろうと思える講演で、これからの本会議の発表に期待が高まりました。
【SQiP2024 団体申込は9/6の15時まで延長!来週開催です】特別講演1の情報を更新しました!その他プログラムも公開中です。#sqip2024 pic.twitter.com/idjEt8QIvH
— 日科技連 SQiP (@JUSE_SQiP) 2024年9月4日
個人事業主の熊川さん
「アジャイルテストの4象限を活用したリリース戦略の実践」
スクラム開発をやってみたものの、スプリントの中で小さなウォーターフォールを実施していくような進め方になってしまうケースが多々あります。 熊川さんの発表は、このようなウォータースクラムフォール状態となっても、デプロイ頻度を上げて品質も落とさずユーザーからの評価をあげる方法についての紹介でした。
自分自身、これまで2社で1人目のQAとしての活動を行ってきましたが、どうしてもこのウォータースクラムフォールになってしまいがちでした。 個人的には、ここが開発規模を今以上のものにステップアップできるかどうかの1つの壁なんじゃないかなと思っています。 今回の熊川さんの発表は、開発チームが最初のステップアップするためのアクションに良さそうです。
グロース・アーキテクチャ&チームス株式会社の常盤さん
「品質保証活動をアジャイルプロセスに溶け込ませるためのテスト活動の再構築と、それを支えるアジャイル・エンジニアリングの活用」
アジャイルへのシフトに合わせてテスト活動を早めても、テストのボリュームが変わらないならその分開発より遅れて終わるよね、というところから「テスト実行のボリューム」がボトルネックになる点と、「自動テストの施策」がそこまで効果が出ないという課題をどう解決していくかというお話で、その方向性としてアジャイルエンジニアリングを活用してとにかくテスト活動を早め、「アジャイルのプロセスにテストプロセスを融合させていく」というシフトレフトのアプローチを行った時に期待される効果と、気をつけるポイントの発表でした。 一例として、要件定義にテスト分析を融合させて効果的な仕様を設計する、リスクを許容してユースケースを限定的にすることでテストパターンを減らす、といったことが実例を用いて分かりやすくまとめられていました。 テストに時間を割かないための活動を行っていくわけですね。
こちらのグロース・アーキテクチャ&チームス株式会社さんは9/26に上場されたとのことです。おめでとうございます!
共著者のかたがXで積極的に情報発信されているので、気になる方はぜひ。
共著者です。
— broccoli (@nihonbuson) 2024年9月12日
特に断りを入れてませんでしたが、B1-2の経験発表はSNSの制限をしていません。#sqip2024
3.最後に
こういった経験の発表というのは、どちらかというと
「うまく回っていなかったから、こんな取り組みをしてみた」
「最初はこれをやってみたけどうまくいかず、こうやったらうまくいった」
という流れの発表が多いですが、
「これはうまくいかないよ」
「いいアイデアだと思ったけれどここがボトルネックになって自分たちはうまくいかなかった」
というような、失敗事例に焦点を当てた発表も聞いてみたいと思っています。
その事例からどうすればよかったか、どうしたらうまくいくかの話し合いや意見交換ができるような場があれば、今後も積極的に参加していきます!
最後になりますが、We are hiring! ということでQAエンジニアとSETの求人情報を貼っておきます!