フレームワークをつかいわけて いい感じに「ふりかえり」をしよう!

はじめに

Park Direct開発2グループの畠山です。先日在籍エントリを書いて、筆が乗ってきたので続けてもう1本書きました💪

スクラム開発における「ふりかえり」は、チームが継続的に成長するための大切な時間ですが、「毎回同じような話ばかりでマンネリ化している」「具体的な改善策に繋がらない」「メンバーの発言が少なく、どうすれば良いか分からない」といった課題を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

この記事では、私たちのチームがふりかえりで実践しているフレームワークや、そこから得られた学びをご紹介します!皆さんのチームのふりかえりをより良くするための一助となれば幸いです。

ふりかえりの目的

ふりかえりは、単なる作業報告の場ではありません。日々の仕事を進める上で直面した問題や障害を明らかにし、開発を通して得られた知識を共有することで、プロセスを継続的に改善していくための貴重な機会です。

日々の業務に追われていると、どうしても視野が狭くなりがちです。ふりかえりの時間では、一度立ち止まってチーム全体でじっくりと考え、個々人が抱える課題を共有し、解決の糸口を見つけることができます。

わたしたちのチームのふりかえり

私たちのチームでは、基本的に1週間のスプリントで開発を進めています。毎週水曜日にスプリントを開始し、翌週火曜日にレトロスペクティブ(ふりかえり)を行うというサイクルです。

週の半ばにふりかえりを行うことで、そこで出た改善のアイデアを水曜日からの次スプリントにスムーズに繋げられるようにしています

チームメンバーはフルリモートで業務を行っているため、ふりかえりはオンラインホワイトボードツールの Miro を活用しています。

まず、各自がスプリント期間中の出来事を思い出しながら Miro の付箋に書き出します。その後、書き出された付箋をテーマごとにグルーピング。いくつかの話題をピックアップして深掘りし、具体的な改善アクションを設定して、次のスプリントに繋げていく、という流れです。

フレームワークの活用と工夫

①Fun Done Learn(基本)

ふりかえりのフレームワークとしてよく使われるものに KPT(Keep/Problem/Try)がありますが、私たちのチームでは、より前向きな気持ちでふりかえりに臨めるよう、「Fun Done Learn(楽しめたこと・できたこと・学んだこと)」というフレームワークを主に採用しています。

「Fun」というポジティブな軸があることで、良い雰囲気で話し合いを進めやすくなり、議論が盛り上がる効果を感じています。

Fun Done Learn

また、フレームワークに厳密にとらわれすぎず、Fun・Done・Learn のいずれにも当てはまらないコメントや、ちょっとした愚痴などを書き出せる「ぼやきコーナー」も設けています。言葉にしにくい感情を吐き出す場所があることで、小さな問題の取りこぼしを防いだり、チーム内での感情の共有がしやすくなったりします。

基本的なFun Done Learnに加えて、目的や状況に応じて他のフレームワークも活用しています。

②Starfish(月1回程度)

Starfish

「続けること(Keep)」「減らすこと(Less of)」「増やすこと(More of)」「やめること(Stop)」「始めること(Start)」という5つの視点から、より広い範囲での取り組みや、中長期的なチームの課題を洗い出します

日々の業務で新しい取り組みが増えていく一方で、「減らしたほうがいいこと」や「やめた方がいいこと」も定期的に整理しないと、時間はいくらあっても足りません。私たちのスプリントは1週間と短いため、Starfish を用いることでもう少し長い目でチームの活動を見直す機会を作っています。

具体例としては、「減らすこと」でトイルとなっている作業が顕在化し、開発時間確保のために手作業を一定自動化する動きに繋がったことがあります。

③タイムライン(中長期のプロジェクト完了時)

タイムライン

一定規模のプロジェクトが完了した際には、時系列で出来事(事実)と考えていたこと(感情)を書き出すタイムライン形式のふりかえりも取り入れています。これにより、プロジェクト全体の流れや各出来事の関連性を把握しやすくなり、フェーズごとの良かった点や改善点を見つけ出すのに役立っています。

これらのフレームワークを状況に応じて使い分けることで、ふりかえりのマンネリ化を防ぎ、様々な角度からチームを健全に保つようにしています。

議論を深めるための工夫

以前、私たちのチームは3〜4人で45分間のふりかえりを行っていました。しかし、チームメンバーが増えたり、新しいフレームワークを試した時は、具体的な次のアクションに辿り着く前に時間切れになってしまうケースがありました。

そこで、ふりかえりの時間を思い切って1時間に延長してみました。これにより「なぜそうなったのか」「次にどうすれば良いか」といった深い議論をするための時間を確保できるようになり、具体的なアクションプランにまで落とし込めるようになりました。チームメンバーに変化があったり、チームがふりかえりのプロセスに慣れるまでは、少し長めに時間を取ることも有効だと考えています。

また、時には話題が多岐にわたり、議論の焦点がぼやけてしまうこともありました。 そのような場合は、Miro のスタンプ機能(または投票機能)を使って、特に話し合いたいテーマをメンバーの投票で決定し、議論すべきトピックを絞り込むようにしています。これにより、限られた時間の中で最も重要な課題に集中して取り組むことができます。

付箋のグルーピング作業についても、以前は手動で行っていましたが、最近では Miro AI の自動グルーピング機能を試験的に活用し始めています。これにより、付箋の整理にかかる時間を短縮し、その分を本質的な議論に充てられるようになってきました。

最後に

ここまで、ふりかえりのフレームワークやプロセスの工夫についてご紹介しましたが、これら以上に大切だと感じているのは、「メンバー一人ひとりが安心して意見を言える心理的な安全性」をチーム内に育むことです。ふりかえりの場だけでなく、日頃からの積極的なコミュニケーションを心がけ信頼関係を構築することが、より建設的で意味のある議論を生み出し、結果として質の高いふりかえりに繋がると信じています。