
こんにちは!ニーリーアドベントカレンダー2025 の22日目を担当する阿部です。
普段はプロダクトマネージャーをしながら、マーケティングの部署も兼務しています。
今回のアドカレでは、技術的な実装の話…ではなく、「社内のデータ基盤が整ったことで、利用者である自分の業務がめちゃくちゃ楽になった!圧倒的感謝...!!」 という、いちユーザーとしての感動と感謝を綴りたいと思います。
結論から言うと、「整備されたデータマート」 と 「AI Analytics」 の組み合わせは、分析業務における「強力な武器」になりました。
半年前まで戦っていた日々
まずは、半年前の状況を振り返ります。 当時もデータ分析自体は行っていたのですが、 「SQLでゴリゴリ集計」 する力技でした。
特に自分たちのチームでは「カスタマー単位」での分析頻度が高いのですが、これを行うためには、以下のような多種多様なテーブルを自分で紐づける必要がありました。
- カスタマー属性
- 駐車場情報
- 流入経路
- 申込情報
- 契約情報 等々
これらを毎回 JOIN で繋ぎ合わせる必要がありました。「分析したい」と思った瞬間に、まずはこのパズルを解くところから始まる状況でした。
当時の生成AI活用の限界
もちろん、半年前も生成AIは活用していましたが、実務のSQL作成においては、汎用的な構文の作成や、内部の複雑なテーブル構造を必要としない簡易な利用が中心でした。
汎用的なTipsを聞くには便利でしたが、社内独自の複雑なデータ構造までは把握していないため、結局最後はヒトが汗をかいてクエリを組み立てる必要がありました。
2025年中盤の転機:データマート × AI Analytics
そんな状況が、この半年で劇的に変わりました。 大きな変化は2段階で訪れました。
1. 6月:「カスタマー単位」のデータマート整備
まず2025年6月、Analyticsチームの方々が、「カスタマー単位で主要な情報がまとまったデータマート」 をBigQuery上に整備してくれました。
これまで毎回手動で結合していた駐車場情報や契約情報が、最初から整理された状態であるのです。
カラム名が「読める」ようになった
有難いのが、カラム名が直感的で分かりやすい点です。 元のDBテーブルだと hoge_flg のような英数字のカラム名で、データベースドキュメントを一緒に読み解かないと意味が分からない…という状況でした。
しかし整備されたデータマートでは、契約種別 や 流入経路 のように、マーケティングチームなどのビジネスメンバーでも一目で理解できる名称になっています。これだけでデータへの心理的ハードルが下がりました。
▼データマートの構成や整備の裏側については、Analyticsチームの記事をご覧ください
2. 8月:AI Analyticsの導入
そして2025年8月、このデータマートの上で動く 「AI Analytics」 ツールが導入されました。 このツールには主に3つの機能があります。
- SQLの作成:自然言語で指示すると、テーブル構造を理解してSQLを自動生成
- クエリの検索:Redashに蓄積されたクエリから欲しいものを検索
- クエリの解説:複雑なSQLの内容や条件を分かりやすく解説
特に「SQL作成」機能は、dbtのモデル定義などのメタデータを理解しているため、欲しいデータを伝えると実用的なクエリが返ってきます。
さらに最近のアップデートで、このAI Analyticsは Chrome拡張機能 としても利用できるようになりました。 これにより、RedashなどのBIツールを画面で開きながら、チャットでSQLを作成してもらい、そのまま実行するといったシームレスな分析が可能になっています。この「アクセスの良さ」も、利便性向上に一役買っています。
▼AI Analyticsの仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説されています
導入後の変化
この2つが組み合わさった結果、何が起きたか。
① 「データマート指定 × 明確な指示」で、SQL生成の精度が段違いに
実際、抽象的な自然言語で質問しても、一定の割合で一発で動くSQLが返ってきます。
例えば、
流入経路ごとの新規契約数を集計して
といったシンプルな指示でも、既に作成済みのSQLを返してくれたり、一定有用な返答をくれます。
ただ、まだ上記のような抽象的な指示では、安定して意図通りの抽出がされないケースもあります。そのため「使うテーブル」と「条件」を明確に伝えると、かなりの精度で一発で利用できるSQLが返ってきます。
▼ 実際に投げているプロンプト例
`データマートのテーブル名` を利用して、 `契約種別` カラムが `新規契約` 、かつ `契約日時` カラムに値があるものに絞り、 `契約日時` カラムと `流入経路` カラムを利用して、月毎の新規契約数を集計してもらえますか? BigQuery用のSQLを生成し、カラム名はバッククォートで囲ってください。
(※ちなみに、「BigQuery用のSQLで」「バッククォートで囲って」といった細かい指定は、現状は念のために付けていますが、改善がどんどん進んでいるのでなくなっていくはず!)
これまではAIに対して「テーブルAとテーブルBをこのキーで結合して...」と長々と構造を説明する必要がありましたが、今は「整理されたデータマート」があるおかげで、AIへの指示も非常にシンプルで済みます。
結果として、ゼロからSQLを書くコストは大幅に減り、「どう聞けば正しく抽出できるか」というAIへの指示出し(プロンプトエンジニアリング)に頭を使うだけで良くなりました。
② SQL未経験メンバーが分析を始めた
個人的に最も驚き、感動したのはここです。
今までSQLを書けなかったり、書くことに抵抗があったマーケティングチームのメンバーが、AI Analyticsに質問しながら、自力でSQLを(ある程度)書けるようになったのです。
AI Analyticsは単にSQLを書くだけでなく、既存の参考クエリを教えてくれたり、カラムの意味を解説してくれたりもします。 そうやってAIと対話を重ねて、自分のやりたい分析を実現していく…といった使い方ができているようです。
これにより、SQL習得のハードルが大きく下がり、「データ分析の民主化」 が、目の前で起きた瞬間でした。
さいごに
今回の変化は、自分が何かを作ったわけではありません。全ては基盤を整えてくれたAnalyticsチームと、プロダクトAI開発チームのおかげです。
ちなみに、データマートを含めた基盤整備も、AI Analyticsの機能開発も、アップデートの検討が進んでおり、この調子だと、また半年後にはさらに「圧倒的」に便利になっていそうな雰囲気があり、いちユーザーとして楽しみで仕方ありません。
改めて、両チームの皆さんに感謝🙏