組織の力でモビリティSaaSの開発を強くする!- 初代DevHRが挑む成長の蓋然性を高める挑戦

ニーリーアドベントカレンダー 18日目を担当します榎本です。 2025年12月から、株式会社ニーリーに初代DevHR(Developer's Human Resources)として参画することになりました!(ちなみに、やりたいことが山積みのため、私と一緒に組織づくりに挑んでくれる仲間も早速探しています…!)

私自身、これまでプロダクト開発の現場で様々な経験を積んできましたが、この度、新たなロールへチャレンジすることになりました。 なぜ現場を知る私が、このタイミングで「DevHR」という道を選んだのか。その理由と、DevHRとしてニーリーの成長を駆動させるために何を成し遂げようとしているのか、現時点での想いを綴ります。


1. 成長の証:T2D3を目指すペースでの成長と、その先に現れた「組織の壁」

ニーリーが提供するモビリティSaaS『Park Direct』や『Park Direct for business』は、リリース以来、目覚ましい勢いで成長を続けています。その成長スピードは、業界で成功の指標とされる「T2D3(Triple, Triple, Double, Double, Double)」を目指せるペースで、今まさに事業が急加速している真っ只中です。

📌 急成長を阻みかねないHR面でのボトルネック

圧倒的な成長は裏を返せば、組織にとって大きな負荷となります。ニーリーの事業はSales-Led Growth (SLG)によって急拡大を遂げてきた側面があります。次のステージであるProduct-Led Growth (PLG)へと移行し、マルチプロダクト構想を実現したいと考えていますが、そのためには何より強固なプロダクト組織が不可欠です。

現在、プロダクト組織は約40名。 これは「精鋭少数を目指している」といった綺麗な話ではありません。 正直に言えば、やりたいことに対して「圧倒的に人が足りていない」のです。 事業はT2D3という驚異的な成長ペースを維持していますが、組織がそれに追いついていない。 これが、今のニーリーの「生々しいリアル」です。 (このあたりはDevHR募集記事にも明記されていました)

採用の遅れは、単なるリソース不足ではありません。 「目の前にある巨大な市場機会を逃す」という、経営上の最大のリスクそのものです。

  • 機会損失の痛み: 攻めるべき領域があるのに施策を進めづらいもどかしさ。
  • 足場固めの遅れ: スピード優先で積み上げたものを、綺麗に整える余裕がない状況。

この状況を打破しない限り、次のステージである「マルチプロダクト構想」を基盤としたPLGの実現は、遠いかもしれません。 私の最初の、そして最も重要なミッションは、「採用のボトルネックを解消し、成長の蓋然性を高める」ことです。 プロダクト組織を会社の成長を牽引する真のドライバーへと変えていく、その第一歩を踏み出していきます。

2. DevHRの戦略的意義:リクルーターではない「組織戦略」としてのDevHR

ただし、ニーリーが新設したDevHRのミッションは単なるエンジニア採用担当者を置くというレベルではありません。「リクルーター」ではなく「HR(Human Resources)」という言葉に、その戦略的な意図が込められています。

DevHRは、事業成長を駆動させるための三つの柱を担う戦略的なポジションです。これらはプロダクト開発のライフサイクル全体を支えます。

戦略的ミッション
採用(Recruiting) ボトルネックの解消:事業計画達成に必要な人材を、質の高さとスピードを両立させて確保する。
技術広報(Tech Branding) 市場での優位性確立:ニーリーの技術的魅力・文化を正しく市場に届け、採用を加速させるとともに、事業の信用度を高める。
組織開発(Organizational Development) 生産性の最大化:「人が増えても開発速度を落とさない」体制を構築し、開発生産性の線形成長を実現する。

DevHRらしさを表す一つの要素が「組織開発」です。組織が大きくなるにつれて、コミュニケーションコストや調整コストが増え、「開発速度が上がらない」という事態は多くの企業で発生します。ニーリーでは採用の成功が、そのまま事業成長に直結するように、採用後の活躍まで見据えた組織づくりをリードしたいと考えています。

弊社CTOの三宅は「全員事業家」というワードを掲げています。 エンジニアが単なる「仕様書の実装者」にならず、「事業成長を進める主体者」であり続けること。 そのために、DevHRは「エンジニアが事業家として動けるフィールド」をデザインし、組織戦略と事業戦略をシームレスに繋いでいくことを目標の一つとしています。

3. 最初の6ヶ月:採用とブランディングの「科学」

採用、技術広報、組織開発はすべて重要ですが、新設ポジションとして初めからすべてを完璧にこなすのは不可能です。だからこそ、最初の6ヶ月から1年で、リソースを最大のボトルネックである「採用」、そしてそれに直結する 「技術広報」に集中させます。

1. 採用プロセスの「科学」

「手探りでなんとか採用を動かしている」という状況から脱却し、データと事実に基づいた採用戦略へと進化させたい、と思っています。

  • 数字によるボトルネック特定: 採用ファネルの各ステップ(応募数、書類通過率、一次面接通過率、内定承諾率など)を定義し、現状のパフォーマンスを可視化します。これにより、どのステップがボトルネックになっているかを特定し、改善策を講じていきます。
  • 面接体験の均質化と最適化: 評価基準の明確化、面接官トレーニング、質問設計の改善を通じて、CX(Candidate Experience:候補者体験)を徹底的に向上させます。選考プロセスそのものからも弊社のプロフェッショナルさと魅力を伝えられるようにします。

2. 技術ブランディングの「熱量」と「誠意」

正直に言います。「月極駐車場」というドメインは、地味だと感じませんか? 私も最初はそう思っていました。(少なくとも「よくわからない」が先に立つかもしれません…) ですがここは「不動産業全体のDX」というエンジニアにとって最高に痺れる課題が山積しているフィールドです。

ニーリーのエンジニアたちは日々、 「泥臭くも面白い課題」に取り組んでいます。中の議論も非常に高度で技術的にも秀でた人たちばかりです。 一方でこの 「開発現場の面白さや熱量」が、まだ外には伝わりきっていない。これが今の課題です。

これからバンバンと外に出て「DevHRと話すと、ニーリーの解像度が爆上がりする」と言われるような、そんなコミュニケーションを目指していきます。


最後に:組織を事業成長の「エンジン」へ変える挑戦

ニーリーが新設したDevHRという役割は、私にとってプロダクト開発の現場で常に感じてきた「組織の可能性」を最大限に引き出し、事業の最重要課題を解決するための挑戦となります。 採用・広報・組織開発というすべてをプロダクト開発戦略に直結させることで、プロダクト組織が事業成長を自ら駆動する強力なエンジンとなるよう、組織づくりの面から全力で取り組んでいきたいと思います。

まずはこの入社エントリを読んでいただき、本当にありがとうございました。 自分自身書いていて、伸び代が大きい領域でワクワクします!
モビリティSaaSという巨大な市場を共に切り開き、組織の力で事業をドライブさせるこの挑戦に、少しでもご興味を持たれた方は、ぜひお気軽にカジュアルにお話しさせてください。
冒頭にも書いた通り、DevHRの仲間も引き続き探しています。こちらもよければぜひお気軽にお声がけください!